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間口2間弱の家づくりの事例

大量の紙類を相変わらず減らしたいなぁ~と思いながら少し気分転換に掃除をはじめて、紙封筒に入っていた書類を見ると10年前(2009年)に各工務店に提案してもらったプランが出てきましたが、融資不可で没!となった事例ですが、偶然今ご相談ある方とほぼよく似た敷地(間口2間ほど)なので、捨てる前にこちらで掲載します。

 

もちろん社名は隠して、見積の違いなども述べます。

まずNB社プランをご覧いただこう。

 

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間口2間ないから苦労しているのはわかる。特に水廻りはこう並べてしまうと洗面脱衣がこうなるが、はて洗濯機はどこに奥のだろうという疑問。おそらくだが1回の階段横に置いてあるのかな?と推測できるが、そこに置かれても…という感じであります。

 

図面を見る限りおもちゃのソフトで書いたようですが、壁の表記例えば、吹抜けの部分は廊下に面しては腰壁だと思うが配慮がないと言える。1階の玄関横乗ろうかとの間もそうだろう。

 

ちなみにこの会社の10年後は、ほぼ建築業を営んでいない。他業種で忙しくなって建築なんて儲からないので…と言って、軽トラから高級車を乗り回すように変わった方ですが、そもそも住宅の設備営業でしたので、建築のプロなのかと言えば疑問でしたので、過去1件も実績はない。素人感と住宅に対する思い入れのなさが図面でわかる。

 

次にⅠ社プランをご覧ください

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この会社は、門型フレームを使っているので前のプランより車庫に壁が少なくて済んでいる。トイレも1階にも2階にも設置されている。洗面脱衣として洗濯機も配置されているし、1階の寝室に収納はないのが難点だが、先ほどのプランより随分マシだと言えるので、そこそこの設計の経験者と言えるだろう。

 

続いてNG社のプランをご覧いただこう

 

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こちらは おそらくJWcadで書かれている図面なので、それなりにしっかりと書かれているのだが、非常に見にくいこともわかります。しかも、手書きを書き足しているのは、ひょっとして上司がチェックをした可能性があるので、その姿勢は評価すべきです。

 

1階は先ほどのとよく似ていて、2階もよく似ていて3階は面白い発想と言える。1階が子供部屋になったときには、子供の管理が行き届かない事もあるのでこればかりは家庭によります。ただご覧のように重量鉄骨である。価格は木造より高いだろうと推測できます。

 

次なる会社はD社プラン

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これは 一番ひどい。細かいところを解説するまでもなくプラン力がない会社と言えます。下駄箱蟹歩き、トイレ内開き、2階リビングなし、3階無駄な廊下、3階2部屋する意味が不明という感じです。

 

この会社は、プラン力がないと自覚したのか、これ以降設計事務所と提携して、マニアックな仕組みの家づくりを提供されていて、ウンチクを消費者の皆さんに伝えて成功されているようですが、よくそこまで修正できたと感心致しますが、設計はセンスだなぁと痛感する事例です。

 

最後にK社です

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少し薄いですが、一番左の図面は配置図なので敷地の大きさがわかるかと思います。プランはこれもよく似た感じですが、こうして見ると細かい点は調整しながらも、住まい手がどこに夫婦の寝室を配置して、子供室をどこに配置するのかで決まりそうです。つまり、大雑把な配置はどうしようもないプラン以外は大差がないという事です。

 

では、見積りや価格を見てみましょう。

と言っても、10年前で各社の自由な提案でしたので、仕様も大きさも違うから比較しているようで比較していないですが、ひとまずわかる範囲でお伝えします。当時はサッシにしても今のように割高な準防火仕様もなかったです。

 

まずNB社 見積り明細は簡単な明細のみ。それも別途オプションの根拠を書きならべているだけ。そのオプション明細を見ていると給湯器と書かれて23万が計上されていますが、おかしいですよね。元々何が熱電源だったのかと感じます。設備機器もサイズのみでメーカーもシリーズも定価もわからない。後からいくらでも追加が言えそうなそんな見積りですから、親切ではありません。

 

ですので、そんな見積額は1600万でしたが、この額面は、曖昧で信用に欠ける内容と言え、私が1回も紹介することなかったのはおわかりいただけるかと思います。

 

次のⅠ社は 上よりしっかりした見積明細があります。ただ、それでもまだざっくりした見積もりと言え、概算に近いイメージです。内装建具なども定価260万とあるのですが1式で書かれているので品番はもちろん本数すらわからない。

 

もちろん例えばキッチンなどは何のシリーズでどこのメーカーなのか、食洗が含まれているのかどうかなど設備機器などもどんな内容かは書かれていないが、先ほどのよりまだ誠実と言える。

 

この会社の見積額は、先ほどの会社とは消費税位(当時まだ5%の時代)の差であった。

 

次のNG社の見積り。そもそも鉄骨だから価格は期待できないが、見積内容を見るとこちらには、各工事明細で〇〇工事いくらという大項目しか送ってきていなくて、価格は上の約2割増しの1900万で提出されていますが、明細が全く不明なので後出しジャンケンされる可能性大です。

 

次なるD社。通常、プランが一番悪いので明細を見る必要もないのですが、断熱性能も悪く(今のこの会社からは考えられないですが…)価格も一番安いですが、おそらく建売業を当時は請けていた流れなのでしょう。

 

でも、明細などはそれなりにあるのですがサッシの数や形状、細かい仕様が不明なのは他社と同じです。見ていると給湯器とかは入っていないので、結局はまだまだ追加は多く増えそうでありますが、何の参考にもならない1500万で出てきています。

 

最後にK社のお見積もり。明細を見ると一番誠実に書かれています。工事項目も数量も細かく拾われています。ドア、窓、機器も細かく定価まで書かれていますので、この会社が一番追加や別途などの後出しジャンケンがないような明細となっていますので、今回のようなケースでは、プランも多少手を加え、今回は特殊工法を採用しているようですので、それをやめさせる事を条件として、このK社を最優先してご紹介することになるでしょう。

 

ちなみに見積価格は、上の鉄骨の会社と同じぐらいでしたが、明細のあるなしでの信頼性 つまり正直で誠意がつたあるお見積もりと評価できます。

 

という感じで、同じ条件を提示してもプランも仕様も性能も価格もそれぞれが違うので色々と分析をしていかなければいけません。この回のようなケースでは、見積あるなし、プランの良し悪し、信頼性などからK社→Ⅰ社 ただしⅠ社の場合は監視が必要となるのですが、おわかりいただけるだろうか?

 

通常はプランが同じで明細がある会社の比較では、仕様・性能などを分析して依頼会社を選択しております。

 

しかしながら、この事例を見れば、これが簡単そうでむずかしいという事がわかっていただけるかと思います。

 

housenet.jp