家の価格について 設備機器編
昨日27日は、リフォーム希望のお客さまですが、3年前に資料請求あった方で地道にあちらこちらをモデルハウスなどを見にいってそれなりに学習されて、そろそろと思われて、問い合わせいただきました。弊社のホームページを見て、資料も見て、メールでやりとりしてお会いしたのは「はじめまして」ですが、初めてお会いした感じもなく「信頼されている」感じがして、いい空気が流れていました。とってもきれいに使われているご自宅なので解体するのはもったいないのですが、建売を購入されたまま住まれておられますので、ご予算とバランスよく固めたいと思っております。
今回初めての試みで現調するかもと思い、バイトとして初めて娘(長女)を連れて行きましたが、ヒアリング内容を書いてくれるので役にたちました。いいものです♪ 出来の悪い社員より余程いい感じです(笑)
さて話は戻してこの回では、先日の想定プランを使って皆さんと一緒に見積をしてみましょう。
これから家づくりを考えている消費者の皆さんが、わかりやすく興味があるであろう扉や床などの建材や設備機器からはじめていきます。
まずは、設備機器についてですが、 この設備機器は様々なメーカーがあります。その代表は、TOTO、リクシル、パナソニックで、他にはクリナップにタカラ、 キッチンなどでは、時折ウッドワンを選ばれたりされ、設計事務所は、デザインは良いが価格がほぼ定価でしか販売できない(こういうところが原価意識が低い)トーヨーキッチンがお好きなようです。ちなみに昔のイナックスやサンウェーブは、現在ではリクシルとなっています。
また各メーカーでも、キッチンだけでシリーズがいくつかあったりします。例えば、パナソニック → ホームページはこちら のキッチンだけでも、Lクラス、リフォムス、ラクシーナ、Vスタイル、APシリーズと混乱します。
ご参考までにこれをお読みの方だけにこっそりお教えしますが、実は業界人もここまで細かく意識していませんが、リフォムスというシリーズは、名前からしてリフォーム向け商品とわかるのですが、ラクシーナより掛け率が高い商品です。ところが、ラクシーナでもリフォームに使用できますので、リフォームであってもこのラクシーナを採用するとそれだけで原価=仕入れ価格は押えることが出来ますのでご参考にしてください。(しかしながら商談中のその会社が正直に対応するかは別であります)
よく採用される一般的なものは、パナソニックではラクシーナでありますが、それより安くなっているのが、VやAPでありますが、その機能面などはできる事が限られていて、逆に機能性が高くて価格も高くなっているのがLクラスとなっています。
ですので、どちらのショールームでも一番目立ち、見栄えすように展示されているのが、一番高いシリーズである事は言うまでもないかと思います。売る側であるメーカーさんのショールームとは、そういうものです(^J^)
同じメーカーでもこのシリーズによって掛率=仕入れる価格も違っていて、設定されています。こればかりは、シリーズによりけりですが、その差は 20%つまり100万の定価なら20万以上も違ったりしますから、くれぐれもお気を付けくださいませ。この理屈は、他社でも同じことが言え、シリーズによって、掛率が違ったり、メーカーによって、その掛率が違ったりしていますので、同じような定価であっても、メーカーやシリーズによって、その掛率が違ってくるものであります。
では、ここで具体例をあげましょう。
仮に定価は全て同じだとしましょう。この一般仕入れ価格を調べてみると【1】の場合は、40万、【2】の場合は、35万、【3】の場合は、50万という事もあるのです。
結局のところ上の事例で言えば、【2】や【1】を優先として、安い掛率の商品でいいモノをチョイスすると仕入れ価格が低いので、消費者にとって安くて良い買い物ができる確率が上がるわけです 。
ただし、この仕入れ価格が見えれば・・・のハナシですが、残念ながらこの住宅業界、特に企画住宅などでは明細すらありませんので、定価すら見えないので、もっと安く買えるはずのものを高く買わされている現実も大いにあるわけです。
例えば、標準仕様として【2】が設定されていて【1】を選ぶと原価の違いは、プラス5万のはずが、追加費用20万必要!と言われたりします。これは追加や変更や別途価格として、この住宅業界がよくやる手法で、ほんとは、仕入れ価格が安いから消費者が安く買えるはずなのに、見えない事をいい事にできる限り高く売って利益を伸ばす方法ですから、この住宅業界は、どこもかしこも 標準仕様という形をとっているのです。
騙されてはダメですよ。安い仕入れ価格のものは安く買えるはず。これが理屈です。
他には、メーカー側も他社との差別化をよく考えておりまして、定価だけを安くして、仕入れ価格(卸価格)をかなり高くしているメーカーもあります。例えば、上の例で並べると
【4】定価80万ですが、仕入れ価格50万
というようなケースです。先の【3】よりも定価は20万も安いのに仕入れ価格が同等だったりします。これは、あってないような定価を安く提示する事で、仕入れ価格に対する意識が薄い消費者に見える定価が安く表示して選んでいただく!という手法であります。同じようにみえるキッチンやシステムバスで定価が安ければ、それを選んでしまう心理も、なんとなくおわかりいただけますよね。
ですので、50%OFF!とか、60%OFF!とかいわれても、元々定価があってないようなものであり、それは、そもそもどこの会社でも安く仕入れる事ができる商品だからであり、インパクトを与えるようにしているだけであり、それよりももっと大切なことは、結局いくらで購入できるのか?ということが大切なのです。
その一つの事例が、この原価を意識するという事なのですが、ただいくらこの原価を安くしても、その価格に過剰な利益を計上される場合は、消費者には恐ろしい価格に化けて請求される事にもなります。
では、その具体的な事例をあげましょう。
甲社・乙社・丙社があったとします。どこの会社も、同じ商品を30%で仕入れをしているとします。ところが、会社の規模や各社の想定利益が違うケースで、30%の仕入れ価格という事は、定価100万の商品をどの会社も 30万で仕入れることになります。
ところが、その各社の想定利益率は、甲社:利益率25%、 乙社:利益率30%、丙社:利益率35%であるとすれば、提示価格は、甲社:40万、乙社:43万、丙社:46万となります。
商材機器ひとつにしてもこれだけの差がありますので、ひとつの家づくりをするためにこれらが積み重なるとこの数字を例えば、50倍にするとよく見えます。
甲社が2000万ですが、乙社では、2150万となり、丙社では2300万となるわけです。
上の想定利益率が、中小の20%と大手の40%と考えれば、価格はもっと差が開くわけです。これらの小さな差の積み重ねが、消費者に届くまでの住宅価格の差となります。そもそも原価が同じでも、想定利益率により、皆さんが購入できる価格が大きく違ってくるということです。
これは生活用品でも何の商売でも同じなのですが、なぜか不思議な事に住宅となった途端に高くなる理由を並べます。もちろん、これらの理屈から原価が高いものが、安くなる事はありませんし、利益率を下げすぎる事は、経営や手間に影響する、どこかにしわ寄せが行くので推奨はできませんが、ただ〝理由と適正がある〟というだけで、過剰に特定のお客さま(特に人柄が良い方ほどがっぽり利益を取られる傾向がある)から取る必要はないだろう!ということであります。
つまり、消費者からすれば、安く買えるものから上手にピックアップして、自分にあった適正な商材を選ばれると身の丈にあった設備が選ぶことができるということです。
でもこの感覚は、服でも食事でも一緒ですよね。
ただし、予算が最優先!と言いながらも、これらのあたりまえの法則を無視して、原価が高いものを選ばれるのは、〝 予算が最優先でない!〟という事ですので、購入者として誤解してはならない。といっても、想定30万の設備機器を50万のものを選び20万が上がるぐらいで、住宅営業マンが言うように「坪あたり5万上がる!」という理論にはならないのですから、明らかにおかしなことを説明していると賢い消費者となってくださいませ。