安いからという理由で発注した大工が暴言!?
昨日は、このブログを毎回楽しみに見ていただいてる京都から大阪市内にお仕事の関係で引っ越される方のご相談対応を梅田で致しましたが、偶然弊社のホームページを見つけられ読まれ、最初は電話してこられ、改めて資料請求していただき、お会いしたという経緯です。
土地(中古住宅?)から探す家づくりなのですが、誠実そうな方なのでこのような方を家づくりで失敗させてはならないと感じた次第です。
ローンの事を考えるとずっと住むことになる確率が高いですからね。。。
はてさて、少し前にご相談あった方は、既に私は知らないどこかの会社で工事をされている方だったのですが、
「こんなもんなんですか?」
と少しきつい口調で電話でご相談があった事があります。
現場で大工さんに
「もっとこうしてくれませんか?」
と言ったら無視されたらしく、またお願いしたら、その大工は
「こんな安い現場は、さっさと終わらせたいから…」
と口にされて、それを聞いたお客さんが、かなり凹まれ、時間の経過とともに腹立たしくなったようです。
そりゃそうでしょう。
でも、なぜこの大工さんは、施主に対して、こんな事を言うことになるのでしょうか?おそらくそこが問題なのです。
そもそも大工さんとの間に立つ人が存在していない、元請けで高利益を取りながらこのありさまであります。それなら直接でいいのではないかも言えます。
あと そもそもこの会社は、社員もさることながら職人の教育ができていない!と言え、これは家づくりへの姿勢や構図がこうなってしまっています。
もちろん大工さんも人なので、こんな愚痴をおそらく言いたくないんだと思います。
でも、実際にそうさせられているし、そうだからさっさと終わらせたい!と思っているからつい口に出されたのでしょう
この言葉を口にした後のこの現場を想像すると、大工さんも依頼者である建て主も絶対に楽しくないですよね。。。おもしろくないですよね。。。。嫌ですよね。。。前向きにできないですよね。。。お互い不幸です。
家づくりの構図としては、ハウスメーカーなどの多くの営業系の住宅会社は、営業して
契約するのが仕事となっていて、最近では、建築家プロデュースらしき会社や建設会社や工務店もこの傾向にあります
受注だけして、どこか職人さんをかかえる会社に依頼する!という方法ですが、実は、リフォームをしている会社もほとんどがこの方法で、ガス屋や電気屋、不動産屋も、もちろんこんな方法でどこか工事をする工務店を探して丸投げするだけで、工事をする側は、営業しなくても仕事が来るという図式で成り立っています。
となれば 同じ職人を使い続けない限り、教育はできないですし、手を変えると質や出来具合は変わってしまいます。
その点で受注が安定してするハウスメーカーは、比較的安定して同じ工務店を使い続けます。
といっても、地域ごとに数社の工務店を抱えておられますので、詳しくは、都度違うと言えば違いますが、協力業者としての発注先としては、いつも同じようなところに依頼されます
これに準じて、他の住宅会社や建設会社、不動産会社にリフォーム会社も、どこかに固定して安定して頼みたいものなのですが、そもそも安定して受注できなかったり、たまたま数件重なって受注したりという時に慌てて新しい業者を探したりします。
得てして、こういう時や価格を無理して安く取った時に今回のように関係や教育ができていない発注先となり、職人の教育ができていないので大なり小なりのトラブルが起きがちになります
この協力会社の立場の工務店さんなどは、基本的に数社から安定した仕事をもらう事が
仕事となっており、仕事を探してきては職人さんの手配を続けるというお仕事がメインになります。
つまり、職人さんも安定しているのでほとんど職人が変わらないので仕事の内容も安定しています
これらの職人さんが、いわゆる冒頭である大工さんであったりします。
ですので、職人さんの意識は、仕事貰っているのは工務店の社長からという意識の方が勝っているケースが多いものなのです。
そこでその職人さんを手配している工務店さんなどが無理をして単価の安い仕事をとってきた際におそらく今回のように職人さんに安い価格で発注して、仕事をした場合にこんな小言を口にされるケースが多いようで、特にローコスト住宅の場合によく見られる現象です
通常より安い価格で仕事をとる!ということは、発注側がそういう依頼をしている事になります
つまり無理をして受注したという事は、発注側がそもそもの契約金額を無理したか、ぼったくっているかで、もし建て主がそれなりの費用を払っている!というならば、間に入る会社の利益が高いからとも言えます。
要するに無理な価格の場合は、その価格のしわ寄せが必ずどこかによっているという事で、これは価格優先の建売などの場合でもよく見かけるケースです。
ちなみに冒頭のお客さんの依頼先は、聞いてみるとやはりローコストをウリにしている会社が依頼先でした。
もちろん過剰に高すぎるのは、いかがなものだと思いますが、やはり安すぎるのも、いかがなものか?とも言えるということで〝適正〟が正解と言えます。
同時に適正価格で依頼するということが、どれだけむずかしいか・・・とも言えるのです
■ 家づくりの構造についてのコラム