1.あわてて土地を買ったばかりに・・・
あるお客さまのご予算が、土地2000万、建物2000万、雑費200万で合計4300万だとします。
この状態で不動産会社に足を運びご相談します
「家を建てたいので土地を探しているのですが・・・できれば駅に近ければいいのですが・・・」
そのあたり人気ですからね~とまずは値打ちを付けてから、しばらくして営業マンは、二つの物件ファイルを持て来ます
・こちらは32坪 駅から5分で 価格は2400万
・こちらは36坪 駅から15分で 価格は2100万
いずれも予定をオーバーした物件。
やはり、こう並べられると駅から5分の物件は魅力的ですが、2400万はかなりのオーバー。不動産会社の営業マンは説明を続ける
『駅から5分でこの価格はなかなか見つかりませんよ』
彼らは、自分たちがすぐに見つけてきた物件でも、あたりまえかのようにこう説明する
『建物もすべて含めて、いくらぐらいでお考えですか?』
『4000万ぐらいです』
『それであれば建物を抑えれば可能ですね。私どもで安く建てる事ができるいい会社をご紹介できますよ』
『その他色々諸経費もかかるでしょうし・・・』
『200万も見ておけば、十分でしょう。残りの1600万で十分立派な家が建ちますよ!』
『え!?1600万でいい家が建てる事ができるんですか!?』
『はい 十分です。』
と笑顔で答え、いいタイミングで決めゼリフ
『住まいは 立地が第一ですよ!』
このように何もわからない状態で漠然とした予算組をしたお客さまが、不動産会社にご相談に行ったら、さも色々な問題がクリアされた上に希望が叶うように感じます。
この家族の様子を見ている不動産会社の担当者は、次のセリフを言うでしょう
『今回、たまたまありましたが、こういうお買い得物件は、おそらくすぐに売れてしまいますよ』
チーン!!
はい。これでほとんどの方が落ちてしまい、ハンコを押されます。
その後、このご家族は、理想の家が建てる事ができ、幸せに暮らす事ができましたとさ・・・とはいかないものであります。ほぼもめるパターンです。
まず、問題点は、彼の言う引き算しただけの1600万で十分!という価格の根拠と200万の諸経費の内訳。
この場合、ご家族が最初に用意した200万は、あくまでもローンや登記、仲介手数料などの諸経費なので家を建てる諸経費は含まれていません。
土地を抑えて、いざ地盤調査をすると地盤改良のために100万ほどが必要となる場合もあります。
しかも、現在建っている建物の解体費用や場所によっては、擁壁まで負担する事になり、それも120万以上かかれば、合計220万以上ほど必要となります
さらにまだあります。
外構工事はどうするの?という始末
こうなれば、建物の予算はさらに削られるか、追加費用を工面するかで、結局はどちらかの親から借りる事になったりすることもあります。
それでいて、できる限り建物の価格は、相変わらず抑えなければいけない。
リビングは狭いし、そもそもプランが素人が見てもわかるぐらいいいとは思えない、予算のために食器洗い機をやめようとしても、標準仕様だからやめても価格は変わらないというし、逆に少し壁をつけてもらうと5万だ!10万だ!の追加費用をいわれたりする。性能も期待できない。
そんな不動産会社から紹介された家づくりをする会社は、自分なりに調べるけど実績もわからないし、ホームページすらない会社
性能も使用も安全も不安だし、土地を見に行った時は、日当たりが、そこそこ当たる土地だなぁ~と思っていたのに住んでみるとその日当たりは悪いし風が全く抜けない。
たしかに駅から5分ですが、それゆえに夜遅い時間まで車の交通量が多いので車の騒音が気になる
これまで、家を建てて後悔されている方のケースをまとめるとこんな感じであります。
土地を押さえる事を焦ったばかりに・・・であります。
【続く】