住宅展示場から見える情勢
先日 用事があったので日本橋まで行った際に近くにあったなんばの住宅展示場に久しぶりに足を運びましたが、よからぬ飲み屋街の店のように呼び込みが相当ありました。
一方で日本橋には、ポケモンゲームをしている人が集まっていたり、萌え系がとっても多かったので人の数では日本橋の圧勝で住宅展示場と日本橋は今と昔の時代の差を感じます。
平日などの住宅展示場は、ギャランドゥー・・・いや、がらんど。がら空き。住宅なのに事務所ビルがいっぱいあるようで歩いていると設置カメラやどこからか覗き見されているようで異様な空間と感じます。
ところが、住宅業界内では、なんばに限らず展示場にモデルハウスがあるという事だけで すごーい! と評価されますが(笑)それもおかしな感覚であります。
以前はあれだけ経費のかかる総合住宅展示場には出さないと批判して街中に単独でモデルハウスを建てる展開をしていたはずの住宅会社まで最近では展示場にモデルハウスを建てているからポリーシーって消えてなくなるんだと感じるばかりですが(笑)街の単独の展示場の展開は、限度がありやはり厳しかったのでしょうか?
それよりも次から次へと現実的な家を建てて、見学させてそれをあちらこちらで売ればいいのにと思うのですが、それでは建売になり売るためのモデルハウスでないからしないのでしょうね
そのなんばでは、現在
- ヤマダ・ウッドハウス
- 旭化成ヘーベルハウス ×2
- 住友林業
- 三井ホーム ×2
- 積水ハウス ×3
- セキスイハイム
- ミサワホーム
- 町田工務店
- アキュラホーム
- タマホーム
- ダイワハウス
- 泉北ホーム
- 小林住宅(創建グループ)
- 一条工務店
- JPホーム(髙松建設グループ)
- パナホーム
とご覧のように大手上場企業ばかりではなく、フランチャイズや中小の住宅会社入り乱れての展示場となっていますが、積水ハウスなんてなぜかこの場所で3つも展示しており、それぞれで競っているのも目に浮かびますが、ひと昔前まではこんな事考えられませんでしたが、不思議な事に中百舌鳥にある展示場とは、メンツも色合いもまた違っておりますが場所柄なのでしょう。
そこでまずあなたが、例えば中小の工務店の経営者であれば、この場所への出店をどう考えるのかを一度考えてみてください。
間違いなく、家賃に広告費などの月会費など毎月莫大な経費はかかりますし、モデルハウスを建てる費用に家具やカーテンなどやツールに留守番のお姉さんの人件費で、細かいところでは、その中の一部屋にもうひとつ事務所を作りますのでそれらの経費や引っ越し費用などなどで、この費用は、皆さんが思っている以上の想像をはるかに超える額だと思います。
それでも、以前に比べて家賃などが安くなったのか、大手ではない中堅どころがこの〝なんば〟という中心で住宅展示場にモデルハウスを建てる事ができているのでしょう。
といいながらも、この展示場ですら皆さんが知らない会社もあろうかと思いますし、各社の工法もわからないと思いますが、それぐらいの違いは説明があってもいいかと思いますが、それが希望していない工法の会社に入ると不安材料が増えて混乱する要因にもなるのです。
例えば、ツーバイフォーの会社にご相談というより商談されるとツーバイ押しとなるのはあたりまえで、鉄骨の会社と商談すると木は腐るという話をされますのでとりあえず漠然とモデルハウスを入ることが情報混乱する要因でもある事はお伝えしておきます。
またこの展示場の場所取りの問題もあり あのダイワハウチュなどはローコスト系の間に挟まれていたりしてますので安い家賃なのかな?と推測できますし、パークスである駐車場側などは、かなり高い家賃となっているのでしょう。
いずれにしてもこのようにほぼ無名であったり、中小の知らない会社までもが一流の上場企業と並んでモデルハウスを建てる事ができるというこの現実で何かが見えてきませんか?
あくまでも想像の域を超えませんが、まずこれまでの単独展示場を展開していた会社などは、おそらく単独で街の中にモデルハウスを建てる事に関して、住宅展示場以上に経費や手間がかかったり集客力が落ちたのでしょう。
だから人のふんどしで相撲を取るではないですが、できるだけ経費を分散させて、ついでに見に来たお客さんを知名度や価格力と営業力で横取りしてしまえ!なんていう戦略がうかがえますが、ローコストを売りにしている(本当に安いかは別)アキュラやタマ、泉北ホームなど同じ傾向だと思います。
ちなみに外壁をサイディングにしているモデルハウスは、ローコスト系の会社だけでしたが、モデルハウスは違うけど現実に建てている家といえば、ハウスメーカーもほとんどサイディングで対応されてますのでそれも現実といえます。
ローコストをウリにしている会社は、大手のハウスメーカーと比べて同じような仕様であれもこれも付いてとか若しくは、こんなに安い!ということを強調しているかと思いますが、仮に本当に売り上げ価格が低い場合は、利益額もハウスメーカーに比べ低いので、より数多くの受注をしなければいけませんという理屈になりますが、ただその売る方法は、ハウスメーカーとは何ら変わりません。
モデルハウスを建てる
ツールもある
営業マンもいます
モデルで対応する担当のお姉ちゃんもいます
宣伝もしています
なのになぜに安くできるのか?となれば、きっとどこかをコストダウンしなければいけませんし、何かの差があるのはあたりまえとなります。
例えば利益額が薄いとなれば わざわざその営業系の会社が、そんなに危険な経営をするでしょうか(笑)と感じる次第でございます
ですので、ここでの前者の場合であれば 質の問題になってきますし、後者の場合であれば、そもそもの継続的な経営の問題になってくると考えられます
できるだけスピーディーにという対応でとなれば、営業担当者が対応するのであれば、深追いせずに淡白に事務的に対応して次から次へと家を建てていくという感じになるでしょう。家づくりのルールも、企画住宅であり標準仕様も用意されていて、そのようになってしまうのは、どうしても仕方がない事かと思います。
もっとこうしてほしい!あぁしてほしい!
ということが 価格さえ出せばできる!という事か我慢するかの選択になり、不安や不満になる方も多かったりするかもしれません。もちろん満足をしている方も沢山おられると思います。
つまり、いい品質の家を他よりも安くというのであれば、そもそも経費がかかっているモデルハウスやツールや営業マンなど経費のかかるものをなくす考え方をしなければ、質を落とさずに購入者の満足度を高めて経営も安定させながらやっていけないと素朴に思いますが、皆さまはいかがに考えるのでしょうか?
こちらの費用をあっちにしただけの発想でこれまでの家づくりのそもそも論が、なにも改善されていない!というのが見えてきます。
販売経費やコストは、一切変えずに利益も同じ額を確保しながら他社より価格を安く供給するという事は、どう考えても無理なわけでそのしわ寄せは、必ずどこかにいくというのも現実であり、それが最も重要な家づくりの過程や質にいかない事だけを願いたい
一方で一流と言わるのがハウスメーカーとすれば、住宅展示場にローコスト系が入りだし、すっかり住宅展示場というのが安売り路線となり、ブランド力もなくなったと感じているかもしれませんが、これらについては、超一流ハウスメーカーとしては、購買層の客層が違う!ということで、あまり相手にしていないのも事実かと思います
ところが、超一流でもない中堅どころのハウスメーカーでは、まともにガチンコ勝負となる事も多く、提案するモノの価格の差で商談にも負けることも増えている事でしょう。
こうなれば、ほとんどプランや家づくりをじっくり検討というより、価格と営業マンで選ぶ家づくりとなってしまうカタチが見えてくるかと思いますが、これが、契約したあと工事をしたあとのアンケートで家づくりを選んだ理由として一番高い
〝営業マンがよかったから〟
という結果につながります。
ちなみに家づくりをはじめる前の家づくりの会社を選ぶ理由などで高いのは 〝品質〟や〝提案力〟などでありますが、根拠が途中で変わってしまうのも今の家づくりの問題であり、特徴でもあると言えます。
反響が悪くても、撤退する勇気や体力がないので昭和からずっと相変わらず住宅展示場に出店していることからもそれぞれの事情が見えてきます。
大手が次から次へ出店を控えている事もしかり、最近中小の家づくり会社が住宅展示場に出店する理由もこれで見えてきたかと思います
それぞれの思惑や事情があるからで基本的に食べていくための術であり、それに代わるものがないからです。
皆さんもなんばパークスの向こうのヤマダ電気に行かれる際に自然に目に入るなんばの住宅展示場やそれ以外の街にある住宅展示場
私たちが小さい頃にテレビでよく見たCM ♪南海電車の高石駅を・・・のコマーシャルが流れていた時代からいまだに何も変わっていない住宅の販売方法
時代とともに昔ほど効果なくて、うまくいかなくなってからも、問題を解決しようと思いながらも、家づくりだけはスピーディーと言ってる業界なのに取り組んでいる年月があまりにも長すぎるように感じます。
これからは、展示場による販売展開やモデルハウス展開は、うまくいかない事を前提に
考えるべきなのですが、それで育ってきた管理職ばかりなので、展示場にワンサカか人が集まったとってもいいバブル時を見ているので斬る勇気はないのでしょうね。
で、最近では、残念な事にこれらの手法をまねてこんな時代なのに工務店が高額でフランチャイズに加盟したりモデルハウスを建てたり、ある特殊で高い工法だけに偏って高い経費のかかる家づくりを皆さんに供給されています。
例えば あの無○の家などがわかりやすい事例で、昔はあれだけハウスメーカーを批判していた工務店であるのに2代目3代目と代変わりになった途端に同じような家づくりをされるところがあるのは、中小や地域で活動されるはずの工務店の立場や資質としては、とても残念なことといえます。
工務店がどんぶり勘定だしていたらあかんだろうと。
◆家づくりの雑誌もまるで住宅展示場
家づくりについて何もわからない方は いまだに足を運ぶそんな住宅展示場
他の情報集める手段として雑誌などの媒体がありますが、家づくりの雑誌は、まるでその住宅展示場と同じようです
というのは、掲載無料というものは、取材するから雑誌が高くなりますので雑誌が安いのはほぼ広告と捉えることができ、手軽に手にできるものでは取材ではなく広告であるからその掲載料というのが莫大な費用がかかります。
つまり、これって広告扱いがほとんどで、その価格は60万ほどから200万を超えるものまで様々であの街にあるフリーペーパーと同じ理屈で買う雑誌が安ければ安いほど掲載費用が高かったりします。
ということは、これよく考えれば住宅展示場が紙媒体になっただけで来場するも、しないも【資料請求あろうがなかろうが】掲載費用がとられます。
その雑誌という狭い範囲の中で選ばれない会社 はたまた掲載されていない会社が、果たしてダメな会社といえるのか?となります。お金をさない はたまた大金を出したのに。。。です。殺生なハナシです。その家づくりとは、直接関係ない部分だけで判断して本当にダメな会社と言えるのか?
その掲載されている写真だけが魅力的でないだけで家づくりの相手としては、ふさわしくないの? 書かれている内容がピンとこないからぺけ✕なの??
逆に選ぶ基準は、掲載されている写真だけで判断したの?
書かれている内容だけで判断したの?
たまたまかもしれないし、それ以外の施工や価格・対応やアフターなどがとってもいいかもしれないのに実にもったいない選択基準です。
ところが、皆さんが理想とする経済的で賢い家づくりを常に考える経営者は、その掲載するための大金を無駄と考えて、お客さんを大切にして一度ご縁のあったお客さまに満足頂いてそのお客さんなどからご紹介いただいているので、そもそも雑誌に掲載することはありません。
例えばですが、プランが悪い!などで判断してしまうのは実にもったいない事であり、たまたまかもしれないし、単なる得手・不得手だけかもしれませんが、その他が優れていてもプランだけが悪いからと断ったりする方が多いですが、実はこのひとつの不得手な部分を得意とする同じ業界人がそれを補えばいいだけなのです。
そうです。あれもこれも全てをその相手に多大なる期待をするから、結局はプランや提案時のプレゼンなどソフトな部分だけが良さそうに見える会社に依頼して、家づくりで大切な工程や工事、価格を含めたハードな部分が杜撰な会社に依頼することになるのですが、この点をご理解できますでしょうか?これはリフォーム会社でも同じことが言えますが、これからの時代、本当の意味での建て主のためになる家づくり考え続けたいものです。
■ 根本的に考えを変えないと・・・