それでも建築家プロデュース会社と建てる?
家づくりをご検討されている方は、建築家プロデュース会社ってご存知ですか?
ちょうど私が家づくりサポート業をする頃になんとなくのブームが来て〝建築家と建てる〟という告知で広まりテレビでももてはやされる建築家を使って広告やイベントをしている会社です。
つまり建築家と見栄えする建築家の作品を営業ツールのように扱い、集客をして受注につなげていくもので、建築家を全面に出すぐらいなので作品的な建物を掲載されます。
建築家は、登録制になっているようですが、登録する心理を考えてみましょう。建築家にすれば苦手とする告知や集客を代わりにしてくれてお客さんとのご縁があるかもしれない。でもすごい数の方が登録しているのでどうしたら選ばれるのだろう。プランで差別化しようか、過去の尖った作品を展示してもらおうか、プロデュース会社の方に気に行ってもらえば優先的に紹介してくれるかも。そのためには多少ゴマ吸っておかなければ・・・ てな具合になります。登録者が沢山いればいるほど。
某プロデュース会社などは、これを逆手に取り、登録者数だけを増やし、コンペという名目で提案させる。その提案を出すためには1万円ほどの費用が必要。つまり全国から30作品集まれば、それだけで30万円集まる。これはネットでリフォーム会社を安易に集めるあの仕組みと同じであるが、その後採用される、選ばれる保証はない。
作品が仮に30作品集まっても選ばれない事がある。その時自社で設計事務所としてまとめに入り自社で設計契約をして施工会社も自社のグループでするという始末。
少し調べたらすぐに胡散臭さがわかるところだが、ピュアなのか世間知らずなのか、素朴に信じてお金を出して労力掛けた作品を提出する設計事務所が多くいるようである。
そんなことを踏まえると人の気持ちをもてあそぶような仕組みが好きであるはずがない。そうでなくても業界で扱いにくいのが建築家である。見積もりできないのになぜそれほどえらそうにできるのかが不思議である。この方々が見積できないからトラブルが多くなったり 工務店や職人さんその先には施主となる消費者に迷惑がかかるのである。
建築家と建てたい!…そのお気持はなんとなくよくわかります。でも予算もそれなりにあるのか?あれこれ良い仕様を採用されて性能に拘られるとあたりまえに価格が跳ね上がるものです。
工務店って、なんとなくイメージで野暮ったい!ハウスメーカーは、モデルハウスと
全然違うモノができますし高いし・・・。そもそも、プランニングを住宅営業マンがするって、はじめて建てる私の家をなんだと思っているのか?彼らは捌いているのか?と感じる結果、わが家は是非 建築家と建てたい! と思われる方が多いと思います。
理想の建築家を探そう!と思って、いざ進めるとぶち当たるのが、工務店探しと同じで、どのように?どうして知り合う?
その心理をつついた商売として建築家プロデュース会社のこの手法が、生まれてくるわけですが、それが最近ではあまり目立たなくなって、何となく勢いもなくなり陰りを見せ始めている感じがしています。トラブルのハナシもよく耳にします。
さて 消費者の心理をついた建築家プロデュース会社の家づくりに依頼する場合は、くれぐれも仕組みや流れをよくご理解されてご依頼するようにしてくださいね。
まず、どんな仕組みでどのように建てているのか?
ほとんどの仕組みは、特徴として強調されているように〝建築家は選べるシステム〟となっています。
でも、ここで重要な事をお忘れではないですか?
例えば、建築士事務所協会などに登録と同時に紹介できる仕組みではない。つまり、建築家が自ら登録しなければ選べる!というステージには立てないことは、まず誰でもご理解できるかと思います。
そこで、抜粋され登録されている建築家は、むやみに数だけが多かったり、または、ある程度実績ある方がかなり偏っていたりするケースが多くあると思います。
なんとなくクラスの委員長みたいな人はいつも委員長で目立っていますが、優秀だけで前に出ないタイプの方や自己アピールをしないタイプは同等以上の実力があっても、選ばれることはなくなります。同時にプロデュースしている会社のスタッフに苦言するタイプなどは選ばれないですよね。それよりも凄い!とか笑顔でニコニコしているあたりの良い方は選ばれますよね。
そういうものですが、つまり数が多い場合は、どのようにして建築家が抜粋されるかです。
もし、消費者=建て主自ら資料を見て選ぶというのであれば、無駄な経費がかかる建築家プロデュース会社をわざわざ通さなくてもいいだろうという考えも出てきます。
そうです。
自らその建築家を訪問すればいいのです。
また、たくさん登録者がいるのにこれまでの実例を見ると偏っている場合などは、十人十色の家づくりと言いながらマッチングがおかしくないですか?という考えにもなります。
つまり、なんだかんだと言いながらプロ側の都合の家づくりをしているケースが多いのですよ。
それ以前に建築家と建てる家づくりの最大の魅力をもう一度考えてみましょう。
消費者(建て主)にとっては、建築家と家づくりをすることで、設計監理費という費用の面で大きくリスクを背負っています。
可能性のハナシであれば、クソプランであっても費用が発生する可能性もあるわけですし、設計契約というカタチであれば、その部分でそれなりのまとまった額を払う必要がありますので、まずその点へのシビアな意識は、なくさないでほしいものです。
ですので、それらの点をしっかり認識した上であれば、建築家が選べる環境という点は、素直にとてもいいことだと思います。
あともう1点、建築家と建てる際に最も魅力なのが、同じ図面で家を建てる会社=施工会社が数社比較できるという点です。
消費者(建て主)としてある程度リスクを追いながらも、その同じ仕様や図面で比較検討できる(ここでは建築家ならではの圧力や出来レースは無視します)ということは、費用対効果で満足できるという事になります。
ところが、建築家プロデュース会社の多くは、建てる会社が決まっていたり運営しているその会社(加盟している工務店など)だけの価格で対応するという点が大きな違いなのです。
ご理解できます?
だから、建築家は選べても施工会社は選べないかもという点をチェックするようにしてくださいね
建築家プロデュース会社のほとんどは、最も魅力的であるはずの比較検討ができない。その運営する会社が出された価格だけが、住宅価格の答えとなるのです。
弊社のように過去の比較検討した結果の上にこの会社!という理由が明確であればいいですが、運営加盟している会社が工務店であれば 話は別ですよね。
もちろんどれだけ価格が高かろうが、選択肢はないということになります。
また消費者が建築家に期待している部分のひとつである第3者の立場ですが、プロデュース会社と言いながらも、その運営する会社から仕事をもらっている関係上、その関係性は客観的で第三社でも何でもなく協力業者という立場であるということですので混乱されないようにですが、消費者からすれば、建築家と建てる家づくりが混乱されるばかりかと思います。
そもそも本当にその建築家と建てる家づくりが理想であり、自分たちにとって適正な手法であり、まっとうな方法なのか?
建築家を紹介するだけのプロデュース会社の必要性や立場なども邪魔くさがらずに頼もうかな?と思われている方は、一度先ほどの“リスク”があるので冷静に聞かれたほうがいいです。
どれだけ過剰投資しても、評価される額は同じならば、家づくりにできるだけ無駄な費用をなくした方がいいわけであり、そんな事を意識するあなたなら特に…
■建築家プロデュース会社 ご説明