地域貢献の意味を間違っているのでは?
今日は、ホームページから久しぶりにある特殊な工法の採用を考えている方からの問い合わせが来て相談対応したので、ここで皆さんにご説明しておきます。
その工法は、一時期から考えるとあきらかに勢いは止まった感じがしますが、構法と書いた方がわかりやすいかな?(笑)
大手との差別化として、この工法(構法)だけを扱い、在来でも可能なのに誰彼に対して強引にこの工法を推奨する工務店が、雑誌などで派手に色々と宣伝もしたりしています。
これだけ聞いても、売る方法は大手のハウスメーカーと同じですよね。
こうなると、そもそも在来が基本であり、在来が得意のはずの工務店であるはずなのに高額となるであろうこの特殊工法だけを推奨するという姿勢が、そもそもいかがなものなのかな?と率直に感じております。
緊急事態、非常事態、イレギュラーなケースで仕方なく扱うなら理解できますが、なんでもかんでも、壁量も十分足りる間取りであっても採用するってどうだろ?消費者のためと言えず、売る側が自分たちのためでは?と見えて仕方がない。
差別化という名のエゴではないかと思ってしまいます。昔は、あれほど批判していたはずなのに工務店もハウスメーカーのようになりたいのでしょうか?
逆になぜ加盟なんかしなくても扱える在来木造軸組み工法やツーバイを積極的に扱えるようにならないだろうか?
また特殊な工法を扱う工務店の方々は、地域で必要な工務店として今後も地域貢献していくならば、なぜ今の林業の問題から目をそむけるのか?いつから工務店の方々は、日本の林業が他人事になったのか?地域でイベントさえすれば、それだけで地域貢献していると勘違いしている工務店が世の中にどれだけ多い事か・・・
その癖、会社の印象をよくするためだけに都合よく流行する〝エコ〟や〝ロハス〟などの言葉を簡単に口にしているが、どうも行動が伴っていないように見えてしかたがない。一度、足を運んで、ヒアリングして、日本の森林の実態をよく見て実感すべきだと思います。
集成材しか使わないくせに経営者が森林で木を愛してます風の写真だけを営業的に撮影して貼り付けていたりするのを見るとぞっとする。
彼らの口にする地域貢献、地域密着ってなんだろう?ってよく感じます。
元々その日本の森林や木を最も大切にしていたのは、大工であり工務店のはず。
それがいつの間にか、世代交代した時期と同時に無頓着になり〝売る〟方法や手段を目的に安易に高額な費用を払って加盟して、その経費をまた建てる人に負担させる事にして・・・
そもそも長期優良・・・などと言ってますが、フランチャイズとして高額な加盟金などを払わなければ使用できない工法を推奨して、オープンに使用できない工法が本当に長期と言えるだろうか? 評価する不動産会社なんかそんな工法に興味は一切ないですよ。きっとわかっていませんし。。。
どこの工務店に頼んでも、メンテナンスが気軽にできない、取り扱えないクローズな工法を沢山世に輩出して、本当に心から長期で優良と言えるのだろうか?まさしくガラパゴス化と言えるのでは?これが、本音です。
雑誌や様々な手法合戦での本や告知を見るたびに住宅価格がますます高くなるし、費用対効果や経費や会社経営が大丈夫かな?と心配になります。
まぁ~そのあたりは、私が心配するような事ではないですが、これらだけを見ても、ハウスメーカーと同じようにこの特殊な工法が、そもそも安くなるはずがない!と言えるのでよくそれも認識されるべきです。
実は、上の写真のように以前の大阪○スグループ時代のハウスネットでも、この特殊な工法(左の建物)に加盟して扱っていたのでよく知っているのですが、当時信頼していた営業マン達は、その工法を開発&供給している会社を次々に退社されたので、今ではほとんど接することはないのですが、当時の内部事情はよく知っていますし、その加盟店内で業界ならではの、ひどくバカげた圧力も経験した事があります(-.-)
あと同じ工法なのに別グループも存在していますが、結局は、彼らの世界だけの仕組みが違うだけで同じ工法ですのでくれぐれも誤解しないほうがよいです。
中には、その登録店がさも信用ある選ばれた会社・・・と説明する馬鹿な加盟店の担当者もいたようですが、これは売る側の都合のいい間違った説明と解釈するようにしてくださいね。過去には公にならないだけで倒産した会社もありましたので。。。彼らが言ってることが本当に正解とすればその加盟店が倒産などしません。でも解散として倒産を認めないかもですね(笑)
また彼らのいい方が正解だとすると重○なんとかに加盟していない単なるS〇構法だけの登録店は信用できないよ!という説明になりますので、口から適当な事という判断をしてください
また工法を採用するための登録店制度なので供給する。売る側とすれば、保証金などで
リスクヘッジをするだけなので、登録しているから、会社の経営状態が全ていいとは言えないので、その辺は鵜呑みにして都合のいいように解釈はしない方がよろしいかと思います。
構造材を売る会社の立場とすれば、構造材が売れればいい、代金も回収できればいいという立場でお仕事をされていますので、選ばれた優れた会社という事ではないので消費者とすれば気をつけるべきです。
以前、その構造材を供給している会社の責任者とオハナシをした事がありますが、その方は、在来工法でできる家はそれですればいいと思います!と本音かどうかは不明ですが、耳にした事がありますが、高い費用を払って採用している工務店ほど思い入れや偏りとも思えるほどこの工法だけをせっせせっせと供給する家づくりを推奨されます。
では、良い機会ですので具体的な事例をご覧いただきましょう。
簡単に30分ぐらいで書いたので細かい部分は考えないでほしいです(笑)
どうしても市内の狭小間口のプランでは、1階にインナーガレージを設けるので大開口が必要!という事になります。
この理由だけで売る側からの情報発信で、色々なウンチクやゴタクや時には不安にさせられ、今回のケースのように新工法で建てるぞ!という発想になる方が多いようです。
でも、それらのプロからは一部に門型フレームを設けるだけで在来工法でも建てる事も可能となるという発想は、説明してくれていないと思います。
この部分で客観的な立場である建築家の場合は、色々な工法から検討されます(と願います)
この発想が普通です。消費者のための消費者の家なのですから…
では 以下の図面をご覧ください
実は、ここだけに門型フレームを入れれば、この建物は門型フレームが可能なのです。
浴室や脱衣、階段周りなど壁がある部分まで、建物全体を高額で過剰な工法にする必要はないのです。
こんな経済的な家づくりの方法をプロである方が教えないで、不経済で過剰な家づくりを供給するカタチの家づくりは、ハウスメーカーが鉄骨工法だけを売っているのと同じです。
だから私が、今では工務店がハウスメーカー化している!というのです
高いツールや時には、モデルハウスや雑誌への掲載などをして高い工法で建てる家のみを供給する経費がかかる家。その負担は、その会社で建てる消費者の皆さんが負担する。
もちろん冒頭で言ったように新工法でないと無理である!というプランであれば、それはだれも否定することはないと思います。
建築家の立場でも、鉄骨より味わいがある在来工法では、絶対無理なプラン!となれば、あり得る話だと思いますが、在来でも可能なのに何でもかんでも強引に新工法だけを推奨する家づくりで、はてさてそもそもプロとしていいのかな?とこんなところでも家づくりそのものがねじれている感じがします。
ある意味、宗教と同じなので洗脳されているので何をいっても無理なのですが、工務店の経営者が本来の役割の一つとして、地域貢献する立場でもあることを気づくべきなのですが、ハウスメーカーと同じような家づくりをしてでは、日本の木の問題は誰が考えるのでしょうか?意識の高い経営者がいる工務店や建築家だけなのかな?
今回の問合せの相談を終え、率直にそんな事を感じました。
ちなみに門型フレームを一部だけに採用した在来木軸工法で建てた家をご覧ください。
十分な解放感がありますでしょ。。。
最後に我が家は、実は上で書いたこの新工法で建てています
(↑当時の漢字は こちらで現在は構法という文字になっています)
でも、とっても施工力のない会社で建築条件付きで建て、その会社が重○なんたらにも登録されていて最後は倒産しましたので今は家の保証期間より先に倒産しました(笑)
でも、わが家のメンテナンスに関しては、他社の経済的で丁寧な工務店に依頼しているから何の問題もありません
そんなもんですよ。メンテナンスも。
だからメンテナンスも比較した方が、バカな費用払う事にならなくてすみますよ
■その思い込みが結局は過剰となる家づくり