廊下・階段の幅について…
相談があったのでここで書くとします。
気にされるのであれば、バリアフリーで将来の車椅子の通れる幅をしっかり認識しなければいけません。
一般の住宅会社やハウスメーカー、工務店が提案するプランのほとんどは基本となる寸法が、1モジュール910mm=91cmとなっています。
その倍の数値で間取りは考えられることが多いですが、建売などでは、おそらく少しでもコストを安くなのでしょうか、更に1cm狭くて900mm=90cmで書かれている事が多いです。
逆に在来工法でローコスト系の会社は、1000cm=1mで書かれているところもありますが、これは同じ間取りでも坪数を増やす作戦で分母となる坪数を増やして結果的に坪単価を安く見せるためであるとも言えます
そこで見落としがちなのが、廊下や階段の幅。意識しないで普通にプランニングを進めていくと、その基本寸法に合わせるため、廊下や階段も大体その91㎝の幅となることが多いです。
ただしこれは壁の中心から中心までの距離いわゆる芯々なので、両サイドの壁の厚さを引くと柱幅半分×2つまり柱幅分+下地の厚さ×2=130mm=13cm前後が狭くなるわけで、つまり78cmが有効寸法となるのです
それを踏まえて 下のサイズ感を見ていただくとわかるかと思います
階段などは手摺がありますので有効寸法は余計に狭くなります。
例えばパナソニックのカタログで調べてみると
7.3cmほど必要となります。
万が一のために車椅子を意識していただいてプランニングしていただいても、出来ていない、気付いていないプロもいますから消費者からすれば厄介なのです。
相談実例では、家の真ん中にある階段を広くして!と小手先だけでその階段だけを広くしたがために周辺の廊下が通常より狭くなっていて、車いすどころではなくなったというケースでしたが、それでもプロは、車いすは十分通れますと説明して進めようとしていたらしいですが、そのままお願いしてしまうと通常より狭い廊下となり、大きなトラブルになっていたと思われます。
私からすれば、図面書いていて気づかないのかな?と思うばかりなのですが、やはりこれは、設計のプロとは言えない方がプランニングをしているケースではよくある事ですので、依頼する立場である消費者が気付かないところで、致命的なミスを犯している事になるので、しっかりとジャッジしなければなりません。
あと、ついでに申しあげると廊下の長さにも気を付けてほしいです。
感覚なのですが、この廊下が長ければ長いほど圧迫感が出て狭く感じますし、人が通るだけの廊下はできるだけ短いほうがいいのにきまっています。
実際に不動産会社のチラシに掲載されていた実例を貼り付けておきます
なかなかイタイ廊下です。ボーリングができそうです。