家づくりの予算と要望 いつ合致させます?
今の家づくりでご予算とプランの点でよく失敗するパターンをお伝えします。
特に建築家が相手の時はよくあり得る話です。
あなたが家づくりをお考えで、家づくりの設計者(ハウスメーカーの営業マンでもいいです)とのオハナシでプランを作成する前にヒアリングがありますが、その際に
設計者「さぁ!夢の家づくりです。あなたのご希望をご自由にお伝えください」
あなた「では遠慮なく希望言います。(下記の通り)」
・LDKはできるだけ広く!なので20畳ぐらいかな?
・子供室も2人とも 6畳程度はあってほしい
・夫婦の寝室は 8畳ぐらいかな?
・客室用の和室として 6畳はほしい
・予備室として 4.5畳ほどあれば・・・
・お風呂もバルコニーも脱衣室も広い方がいい
・パントリーがいい
・できるだけ2階建て
ってな感じで要望を言われる方は多いと思いますが、要望なので、この時点での予算と法的にもスペース的にも可能なのかもさておき。。。です。
これは、どのような要望ですか?という質問に対して、そのご返事をされたまでで、仕方がないハナシなのですが、まずは、プロのこの手のスタイルの進め方やヒアリング力が悪いといえます。
昨日もホームページからご質問がありましたので、簡単にできる、希望する部屋の大きさから、まずは想定できる家の大きさを計算してみましょう!
これらは、まず〝居室〟と言われる部屋の大きさから、ある程度換算できます。
つまり、上で言えば、上位の5点の合計坪数を出してみましょう。
LDKは20畳、子供室6畳×2なので12畳、寝室は8畳、客間6畳、予備室4.5畳となりますのでこれらを合計しますと約51畳。つまりこれらだけで26坪ほどとなりますが、これらだけでかなり広い家になりそうな感じはわかるかと思います。
設計の世界で著名な吉田桂二先生は、この数字に対して、係数1.6-2.0(平均1.8)をかけると家全体の間取りが出てくると言われています。
つまり、今回の場合であれば、その数字は42-52坪の家となりそうだということですが、やはり、このままでは誰もが想像したようにとっても大きな家となります。
で、そのご予算は?と聞きますとこれで1700万程度ですが 無理ですか?ってな具合です。
あなたにすれば 「何か進め方間違ってます?」なのですが、先程も言いましたように
プロの進め方が悪いのです。
希望は、どこでヒアリングをするのかなのですが、予算との兼ね合いでどうするのか?優先順位をどうするのか?を聞かなければいけません。
さて そもそもこれが上の間取りと予算で果たして可能なのでしょうか?
その商談相手が著名なハウスメーカーであれば、なおさらです。
これが、実は、おかしな間違った家づくりが起きやすいポイントであり、希望と予算が合致しているとは限らないという事になります。ちなみに上の例を普通に割り算をすると坪30万台になります。
この単純計算で出たこの坪単価が見積もりだけで、○○ホームなら、コマーシャルもしているし、坪この程度で出来る!と宣伝しているし、安いのが魅力なのでなんとかできそうだ!とローコスト系の会社に依頼されたりしますが、これが、そもそもローコスト系の会社の思うつぼであり、間違った理解であると言えます
で、あなたは、さも安くて、安全であるかのように見え、チラシ(宣伝販促物)を見て、できるかも・・・のつもりで、問い合わせをして、その会社の営業マンが来訪して
あなたの営業をかけて、そのままズルズルと性能も品質もわからないまま、最もわかりやすい価格合わせの家づくりになっていく方が、実に多いのです。
建築本体価格はその価格 でも他にオプション別途工事がありまして…と加算され続け合計してみればなんてことはない 安くもなんともない価格となるのです
だから坪単価の価格だけで、プロは、ある程度わかります。いや。。。今の時代、実際に建てた事がない人でも、なんとなくこの価格では無理では?とわかるかもしれません。
そもそも、その希望する大きさや間取りと現実である家の予算が合致している事は、確認されないまま何の根拠もなく申されてそのまま進められています。
予算は最も安く、できるだけ広く。
で、もっと性能も品質もできるだけよく・・・とこんなことを誰もが望まれます。
でも、それができたら誰も苦労されません。
品質や性能はできるだけ確保しながら(バランスを取りながら)予算を優先するのか?
価格を優先するのか?などをしっかりと判断しなければいけません。
価格だけあわされた家づくりが とっても多いと感じます。
建売や建築条件付き(売りたて)もそう
特に契約が目的となっている営業マンが絡めば、希望する仕様とは違っていても、とりあえず、ハマる商品を押し付けて、契約をしてしまえばこっちのもの的な感覚の会社がとても多いです。
これをお読みのあなただけは、希望する間取りも、価格も性能や品質なども、バランスよくしっかり見極めて、身の丈に合った家づくりをされる事をオススメします。
そのためには、わからなくても予算もしっかり考えた上で、仕様や性能も確認しながら、間取りも考えて、信頼できる業者を選定していくことが、地味で大変な作業ではありますが、成功する家づくりと言えます。
これらの何かを端折れば、あたりまえに押さえるところを押さえていないままの家づくりとなるので、失敗する可能性は増えるものなのです。
・・・なんとなくご理解いただけますでしょうか?
日頃のお買い物やお食事の時をよくお考えください。服を買う時も、車を買う時も、食料品を買う時も、食べる時も、何事も予算を考えて購入すると思います。
もちろん、それを考えなくて済むのであれば、本能のまま、高いものを買ったり、食べています。
そりゃ~美味しいでしょうけど無理無理
そりゃ~そんなに費用を出せば、ええはずやわ!
そんな事を試行錯誤しながら、買っているのが常日頃の買い物です。
なのに、家づくりとなった途端に展示場やモデルハウスで最高級のものを見せたり、そこまでいらないのに知らない事 わからない事をいい事に高いものを売りつけられたり、押し付けられたり、それがいいのか、わからないままローンが組めるから・・・という事だけで判断して買わされたり。。。
一般常識で考えれば、おかしなことで、おかしなことだらけです。
だからこそ、あなたの家づくりは、しっかりと着実にひとつひとつを解決にしていきましょう!そうすれば、あなたの家づくりは、確実に成功へと近づいていきます。
わからないから・・・といって大切な部分を端折ってはダメです。
どうせ わからないだろうということでプロたちは、余計に足元見たり、横着をしたり、自分たちのリスクをなくすようにしていますので、売り手であるプロの都合のよい家づくりに乗っかてはだめなのです!
そう!!
ちゃんとした家づくりをしましょう!