住宅業界の経緯を知ると〝コンセプトのブレ〟が見えます!?
このブログをお読みの皆さんに工務店やハウスメーカーが考える家づくり会社のマーケティングや一般的な販促の手法をお伝えしましょう。
これらは、この業界ではどこもかしこも、知恵も絞らず、変化もさせずに同じ事を繰り返してきています
このブログは 少し長くなりそうです。
お許しを
まず戦後の高度成長期に産業が伸び、住む場所が必要となって、社宅や寮などがたくさん作られました。
しかしそれはあまりにも会社側の負担が大きいので、個人にできるだけ家を持たせるように推奨して、住宅ローンがつくられました。これが国が金融公庫をつくったきっかけです。
それまでは、世間では、借金は絶対にダメ! と言っていたのにある日突然 借金してでも建てろ! という風潮になりました
日本では 圧倒的に借家が多かったのに、いつのまにか、お金持ちやステイタス、成功者の代名詞であるかのようにマスコミ含めて持家イメージを作りあげられていきました。
これらがきっかけに建材メーカーやハウスメーカーが誕生する要因ともなりました。
それまでの住宅は、〝新建材〟というものがなく、玄関も戸も窓も木で造作され、部屋は畳、廊下は無垢板、壁は、塗りで・・・と昔の家を見ていただいたら、これがよくわかるかと思います。
政府の狙いの通り、大量に一気に家を建てる人が増えたため、新しい市場の建材メーカーもでき、新建材と呼ばれる工業化製品ができました。
これらを使って、建てる家を供給し始めたのが、ハウスメーカーです。
その構造の多くは、工事現場の事務所や選挙事務所、マンションのモデルハウスでも見られる軽量鉄骨を使用して、基本は〝安く建てよう!〟という主旨で、当時は、プレファブ とも言われました。
それがミゼットハウスです
ところが、売る側とすれば、そういった貧弱で簡素な家というイメージが悪いので、なんとかそのイメージを崩さなければいけません。
アニメのタッチで出てきたような庭に置く子供部屋のようなイメージから、高級住宅路線へとイメージ変えていきます。
まず、圧倒的シェアを誇る相反する木造を営業トークとして、腐る、白アリに弱い、地震にも弱いという点だけを強調して、その点、鉄骨は長持ちする家!と言いながら、莫大な時間を掛け、大きな費用での宣伝をおこない、消費者を営業段階で洗脳をしていきます。
この昭和の時代は、もちろんネットなどありませんでしたから、説明された事で安心、テレビコマーシャルしているから安心、というイメージに繋がっていきました。
ですので、集客方法とすれば、人が集まりやすい一等地に数棟建てて、お客さまに見て選んでもらおう!という目的で、住宅展示場というのができまして、そこの集めるためにテレビや新聞、チラシなどで大々的に宣伝告知をして、イメージできるようにモデルハウスを建てて、集客をします。
その時代のコマーシャルは、あの大阪では有名な
その歴史は こちら:ABCハウジング ハウジング事業の沿革
その住宅展示場で繰り広げられることは、他社に負けないように魅力的なモデルハウスをと…そこでも各社が競い合い、その結果、一般住宅からは、益々現実離れした見せるための家ばかりが建つ結果となったのです。
テレビコマーシャルでは、大手広告会社の誘導により、有名なタレントを使って、さらにインパクトや知名度を競い合います。
営業マンは、表向きはさわやかに、ツールも他社に負けない立派なもので、出来るだけ目に触れるように広告で告知して、それ以来ずっとブランド化をはかってきています。
- 構造は、日本の木を使わない
- 重量でもない壁が必要な軽量鉄骨
- 床・扉は もちろん新建材
- 窓はサッシ 壁天井はクロス
- システムキッチン・洗面化粧台・システムバスも全て新建材でできたもの
- 家の基本は、洋室化され、年々大きくなるばかり
- 和室のように畳でもなく、襖などで仕切らない
- ベッドを置くための部屋
- ソファを置くためのスペース
などが必要となる家を常識であるかのように推奨しつづける
モノも次第に溢れ、モノのためのスペースというのも増え、そのスペースのために場所が必要でそれに費用をかける。
一方でリフォーム業界は、あまり宣伝をしません。唯一あのそっくりさんですが、テレビでは、さほど宣伝していませんが、たまたま私が見ないだけなのか、はたまた効率が悪いと思っているのでしょうか。。。
以前、少しの期間、大規模な宣伝、告知をしていた会社は撤収、若しくは倒産しています 事例:ペイントハウス
建てる家、リフォーム会社が提案することも、先ほど取り上げたように床に壁に天井に工業化製品ばかりであり、どれもこれもプロのメンテナンスを必要とされます。
外壁も屋根までもです。
そのメンテナンスが必要なものをつけておいて、数年は無料メンテと言いながら、それ以降は、有料メンテとして、高額で家を建てさせながらも、またリフォームで高額な費用を取る仕組みづくりで、早くて5年、遅くとも10年目ぐらいから、またリフォームの費用をお客さまから出させようとします。
家を建てる時に高い利益をしっかりとり、メンテナンスでも高い利益をとり、リフォームでまた高額な利益をとる仕組みってどうだろう?
だから、現在のリフォーム会社の売上の上位は、ほとんどがハウスメーカーの子会社のリフォーム会社という実態もあります
一方、大工さんへの日当はあがりません。某ローコスト系は1万円もないとも聞いた事がありますから、大工が来ないから急に高級路線に切り替え始めていますが、日当が安ければ、生活も危うく、高い技術力など期待できませんので、それでもそんな費用でする大工さんって、本当に大工なの?と思うばかり…
業績が思わしくなければ、協力メーカーや協力業者を紙1枚のファックスで
業績が思わしくないので5%協力お願いします!(いわゆる値引き)
と言えば、それだけで利益5%確保される仕組み
消費者側を向いても、協力業者側を向いても、どちらも社会のためとは言えない。
上場している会社は、消費者や社会のためではなく、株主のための家づくりなのかな?
でも、こういう時代の背景を見ると当初の思惑と今のコンセプトのズレがよくわかります。
ネットで情報が伝わる時代で比較検討しやすくなっています。
仮に同じ価格で売りあげた場合、経費がかかっているのは大企業側なので、景気に影響されやすく、経営が厳しくなるのも一気にくるかと思います。
そうなれば、合併して多すぎるスタッフを一気に半分にしたり、住宅部門を閉鎖したり、そんなことが、これから先でおこなわれる事は、人口減少や空き家問題で予想できます。
それだけ今の時代の家づくりに合致してきていないと言えそうです
正直、新建材で固まった家なのに企業として、堂々と〝エコ〟ってどうだろう・・・
やはり 住宅業界は可笑しな業界です。
しかも、政府や銀行巻き込んで、机上で役人とハウスメーカーのえらいさんたちが考えて、さらに新建材を沢山使うような住まいを長期優良住宅って言葉を使って、今度はガラス業界にメリットになるように消費者に、さも特典があるように伝えて、また消費者はわからないまま煽られて、洗脳され、さらに不経済でお金のかかる家づくりを建てる
私は、また長い時間をかけて、家も次第に原点に戻るような気がしています。
と言っても、昔のように弱い住宅ということではなく、自然素材に近い家という意味です。
新建材は、今の時代避けれませんが、家も大きければいい!というものでもありませんし、費用を多くかければ、良い住まいというものでもありません。
愛情を持って真面目に我が家づくりを身の丈の家づくりをするために、先々の事も考えて、まずは予算を抑えるように経済的な家づくりをしてほしいと願います。
今日は、商談のあとに少しだけ身の回りの掃除してそんな事を思いました。
今の家づくり そもそも何かがずれている!と感じています。
■ 人は人 自分に合った家づくりを・・・